■起源は古代に
アスベスト利用の歴史は古く、起源は紀元前までさかのぼります。
紀元前2500年にはフィンランドで発見され、スーダンや北部ケニアでは石器時代からアスベストが使用された形跡が見つかっています。ギリシャ、エジプト、中国でアスベスト繊維で織った布の記録が残されています。
ギリシャ・ローマ時代になると、アスベストの採掘現場で働く坑夫やその繊維を紡ぐ職人の間に肺疾患が現れるようになりました。
その後、19世紀後半の近代的工業化に至るまで、アスベストは珍奇なもの、貴重品とされていました。
■20世紀の物質
19世紀後半、アスベストの紡績法が改良され、アスベストの織物や紙などが大量に生産されるようになり、時を同じくして、カナダ、南アフリカでアスベストの大鉱脈が発見されました。1878年のパリ万博ではアスベスト製品が展示され、アスベスト大量使用時代の幕開けとなります。
20世紀に入り、世界各地のアスベスト鉱山で本格的な採掘が始まります。世界のアスベスト生産量は、1900年から1960年の60年間で、1千倍にも増加しました。アスベストが20世紀の物質、と呼ばれるゆえんです。
日本の輸入量は、1970年頃から急増し、1990年頃までの年間輸入量は23万トンから35万トンの幅で推移していましたが、先進諸国でのアスベストによる健康被害が問題になるにつれ、欧米から数年遅れて、日本の輸入量も次第に減少しています。
■健康被害が問題視
アスベストの生産と消費が増えていくにしたがって、健康被害も次第に顕著になってきました。
アスベストが人体に有害であることを指摘した論文が1964年に公開され、アメリカのマンビル社はアスベストの製造物責任を追求され、訴訟が多発、被害者への賠償金額が負担しきれず、倒産しました。
日本では、1975年に吹き付けアスベストの使用が禁止され、2004年までに石綿を1%以上含む製品の出荷が原則禁止となりました。
2005年、アスベスト原料やアスベストを使用した資材を製造していた、ニチアス、クボタで製造に携わっていた社員やその家族などが多数死亡していたことが報道され、アスベストの健康被害への関心が高まってきています。
◇ 厳選関連リンク さらに勉強しましょう
首相官邸:アスベスト問題
Yahoo! ニュース: アスベスト健康被害
朝日新聞社:アスベスト被害
読売新聞:アスベスト問題
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