■吸引量について
国内外の研究によって、アスベストを大量に吸い込むほど、肺がんや中皮腫、アスベスト(石綿)肺などの健康被害が起きやすいことがわかっています。
しかし、どの程度の量のアスベストを、どのくらいの期間吸い込むと病気になるのかまでは、まだわかっていません。
アスベスト(石綿)肺は、石綿工場や、吹き付け作業など、おおよそ10年にわたりアスベスト粉じんを吸い込んだ人が発症することがわかっています。
中皮腫や肺がん、胸膜肥厚などは、従業員の家族や近隣住民など、低濃度で短期間吸い込んだとされる場合でも発症例があります。
アスベストの濃度や吸入量についての過去の測定データが乏しく、現時点では詳しいことはわかっていません。
[ 過去にアスベストを吸い込んでいた可能性がある場合 ]
過去にアスベストを吸い込んだ可能性があり、現在、呼吸困難、咳、胸痛などの症状がある場合は、保健所、各都道府県産業保健推進センター、専門医療機関にご相談ください。
相談先:労働者健康福祉機構:都道府県産業推進センターリスト
医療機関では、胸部レントゲン検査やCT(コンピューター断層撮影装置)検査などが行われます。中皮腫の疑いがあれば、検査入院し、胸腔(きょうくう)鏡や腹腔(ふくくう)鏡で組織をとり、病理診断されます。
[ 吸い込んだアスベスト ]
いったん吸い込んだアスベストは異物として痰のなかに混ざり、対外に排出されます。しかし、大量のアスベストを吸い込んだ場合は、その一部が肺内に残る可能性があります。
肺に残ってしまったアスベスト繊維は非常に微細で、肺のあちこちに散らばってしまうため、手術や薬で取り除くことは現在では難しいとされています。
[ 石綿小体 ]
アスベストは酸性、アルカリ性、熱性に強く、安定性が高いために分解されず、たんぱく質と鉄が付着して、鉄アレイ状や団子状の石綿小体を肺の内部で形成していきます。
海外の研究によると、アスベストを使った断熱保湿作業者で、大量のアスベストを吸い込んできたとされる人の場合、肺の乾燥質量1グラムあたり10万個の石綿小体がみつかったとされています。専門家によると、肺の乾燥質量1グラムあたり1000本以上の石綿小体があれば、職業上でアスベストを吸い込んだと確定できるものとされています。職業上でアスベストに関わっていない人で、1グラムあたり数十本の石綿小体があるといわれています。
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