■家族への影響
アスベストによる健康被害は伝染性のものではないものの、家族のだれかがアスベスト関係の仕事をしていて、そこで使った作業着などを自宅に持ち帰ることで、アスベストが飛散し、家族が数十年後に中皮腫などになったとみられる例が国内外で報告されています。
厚生労働省研究班によると、1997〜2002年に中皮腫と判断された患者の診断記録を調査したところ、男性では3割強、女性では9割近くがアスベストとの関連が薄いと認識していたことがわかりました。
家族の中でアスベストを原因とする病気を発症したひとがいる場合、家族の健康もチェックする必要があります。また、過去にアスベストにさらされたという意識がなくても、アスベストによる健康被害が懸念される症状(呼吸困難、咳、胸痛など)がでた場合は、早めに専門医療機関に相談してください。
現在では、石綿障害予防規則により、石綿を含む建材の解体作業に従事する人は専用の作業着や防じんマスクを身につけることが義務付けられ、それらの作業着は持ち帰れないことになっているので、心配ないはずです。
[ 家族、周辺住民への補償 ]
今まで、アスベストによる健康被害の補償は、従業員の家族や工場の周辺住民を対象にした制度はありませんでした。アスベストを扱う工場で働いていた従業員に対しては労災認定があり、認定されれば労災保険の給付を受けられます。しかし、労災保険の対象は、従業員だけで、家族や周辺住民は認められていません。
平成18年3月「石綿による健康被害の救済に関する法律」が施行され、労災保険法等で補償されないアスベストによる中皮腫や肺がんを発症している方、及び「石綿による健康被害の救済に関する法律」施行前にこれらの疾病を発症し死亡した方への遺族に対して「医療費等の救済給付」が支給されることになりました。
石綿による健康被害の救済給付を受けるには、石綿を吸入することにより、指定疾病、またこれに付随する疾病にかかった旨の認定を環境再生保全機構より受ける必要があります。認定申請書等の必要書類を環境再生保全機構に提出し、判定が行われ、認定がされると、石綿健康被害医療手帳が交付され、救済金が給付されます。
◇ 厳選関連リンク さらに勉強しましょう
環境再生保全機構:石綿(アスベスト)健康被害(救済給付の概要)
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